« 二言三言日記。 | トップページ | ムゲンファラオ »

2008年1月20日 (日)

小説の魍魎の匣と映画の姑獲鳥の夏。

魍魎の匣。1048頁。
読み終わりました。
残り200頁になると、
「もうすぐ終わりだ」と思える本でした・・・
本というより文字の書かれた紙で
みっしり詰まった匣。

精神的歪みが直接法を犯す原因にならず、
それぞれの容疑者は「機会があり、誘惑に負けただけ」
「魔が差す」というのはなんとも恐ろしい。

本文中にこういう台詞がありました。
「どう表現するかは重要ではない。
どう理解されるかが重要なのだ。」
一つ繋がりの原因と過程と結果を理解をしてもらう為に、
物語の最初から最後を丁寧に順に追うだけ。
物語の構成に面白みは特にないので、
映像化の困難さを必然とする作品です。
どこが面白いのかと問われれば、
題材や発想、読まなければならない説明文の内容、
というのが精一杯かもしれません。
全体がなんとなく興味が湧くので面白い・・・
やっぱり、水木しげるの作風が色濃く出ています。

そのまま、京極ワールドを味わう為、
レンタルしてきたDVD「姑獲鳥の夏」を観賞しました。
映画・姑獲鳥の夏は京極夏彦の作風を無理しないで
映像化した良作でした。
口しか動かない登場人物と
数種類しか必要のないセットはカメラワークと
演出で緊張感を出す。
必要となる遺体描写はチラチラと最初から写し、
奇怪さを薄くする。
血なまぐさい表現は除いても推測したり出来るようにし、
ある程度は成立するようにする。
舞台劇っぽい映画です。
「怪奇大作戦」を思い出しました。
あいまいな部分はどうしても文字という媒体を通さないと
正確さが失われます。
放送倫理規定が邪魔をしている、とも思うのですが。
古臭い表現が余計にプラス要素になっていて良かったです。

最後に、以前書いた映画・魍魎の感想に追加。
原作を読むと
映画・魍魎の匣は内容を端折りすぎ、
必要な出来事を省いた為に
書かれていない内容を織り込んでいて
原作とはかけ離れている事に気がつきました。
織り込んだ内容も生理的嫌悪感を誘発するだけなので、
主題が摩り替わっています。
見ていてすぐに気がつく”中国ロケ”が、
変な部分をさらに二周りは強調させています。
原作付きとしては悪い作りで、
単品として見ても、
歪んだ性格の人間が起こした猟奇犯罪
としか分からない推理もないホラー映画。
どちらにしてもいいところなし。

|

« 二言三言日記。 | トップページ | ムゲンファラオ »

映画・テレビ」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 二言三言日記。 | トップページ | ムゲンファラオ »