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2010年5月29日 (土)

臨場 小説とドラマ

ドラマが非常に面白いので、横山秀夫原作を買った。
原作というより原案なんだね。

倉石が主人公ではあるが、
彼に関わった人の心理を書いた小説。
推理という点では、
天才検視官倉石が出動した時点で解決の一歩手前。
小説というメディアの長所を生かした胸に刺さる人物たちの
思考描写が印象的。

短編集なのでドラマにするには内容として量が少ない。
そこでドラマは原作の検視部分はほぼそのままにしながら、
倉石ら、検視官・検視官心得を中心にするため、
事件そのものを再構成したり、
人物名と死因以外はまるっきり変更したり、
検視や捜査の過程もリアリティを追加している。
そもそも、事件関係者の不安や葛藤を書いたものが原作。
ドラマではそれが心得や管理官または、
犯人ではないが容疑者になった人物に置きかえられ、
倉石のアドバイスで考え方が広がってゆく。
また、小説は性的な表現も多いので、
その部分を軟らかくするのにも効果があった。

ドラマがここまで大幅に改編されていると、
小説との比較を許さない物だ。

死者や関係者の心の内を鋭く書き出した小説「臨場」
死者と容疑者の心情を視聴者と一緒に解いてゆくドラマ「臨場」

原作には心理描写の魅力があり、
ドラマには検視で事件の全貌を計り、
倉石対捜一を際立たせる映像としての魅力がある。
原作がなければ出来なかったドラマであるし、
ドラマのイメージで読めない小説である。

「原作に勝るドラマなし」と思っていたが考えが改まった。
比較されないドラマを作ったスタッフも
横山秀夫に勝るとも劣らない。

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